内部の素材
よい家具を選ぶためにぜひ知っておいてもらいたいのが、使用される木材の種類と特徴です。
木材家具のカタログを見ていると必ず「ヒノキ」や「マホガニー」といったような木材の種類が記載されています。
まず木材家具で知っておいてもらいたいのが、家具に使用される木材には構造にいくつか種類があるということです。
基本的な家具の作り方は大きく5種類あり、「無垢材」「集成材」「化粧板」「突板」「樹脂化粧板」に分類できます。
このうち高級家具に多いのが「無垢材」で、これは原木をそのまま切断して一枚の板として使用するという方法です。
いわゆる昔ながらの家具作りの方法で、日本ではヒノキや杉、パイン(松)などの針葉樹を使った家具が多くあります。
輸入製品で多く見かけるものとしてローズウッドやカリン、チーク、マホガニー、ウォールナットなど広葉樹があります。
無垢材で作られる高級家具の代表的な素材としてはナラやレッドオーク、ブラックチェリーなどです。
特にナラはしなりに強い性質があり、曲げ加工を伴う木製家具としては最高級とされています。
他にもアメリカの大統領の演説台にも使用されているウォールナットなどは木材の流通量が絶対的に少なく、また長く使用しているうちに次第に色味が深くなっていくという特徴があります。
素材により適した家具もまた異なってくるので、それぞれの材質の特徴を知った上で家具を選ぶとよいでしょう。
表面の素材
安価な家具でよくあるのが「集成材」と言われる、断面寸法の小さい木材を接着剤でつないで一枚の板にして使う加工です。
いわゆる「合板」で、複数の木材を組み合わせて一枚の板にしたあとで、化粧板や塗装で表面加工をしていきます。
表面素材として使用される素材としては、天然木化粧合板やプリント合板、塩化ビニール化粧板といったものがあります。
天然木を使った化粧合板は高級木材であるウォールナットやチークなどが使われますが、プリント合板では木目模様を印刷したものを表面に貼り付けるしくみです。
家具の塗装方法
木製家具の仕上げとして塗装はよく用いられます。
塗装をすることで見た目を美しくするだけでなく、表面の耐久性を高めて傷をつきにくくし、修復をしやすくしてくれるという効果があるのです。
一般的な家具で使用される塗装方法は「ウレタン塗装」「UV塗装」「ラッカー塗装」「オイルフィニッシュ」の4つです。
アンティーク家具専用に使用される「シュラックニスとワックス」といったものもあります。
このうち最も使用頻度が多いのはウレタン塗装で、ポリウレタン樹脂により化学的に硬い被膜を作り出すことが可能です。
表面に塗装をすることで木材の呼吸を止められるため、ソリや割れといった劣化も起こりにくくなります。